1月17日、新型事業用気動車GV-E197系が新潟トランシスを出場し新潟東港鉄道藤寄駅まで陸送されました。

JR東日本が機関車全廃を目指す

キヤ97系

JR東日本では電気機関車やディーゼル機関車の削減が進められており、レールや線路のバラストを輸送する工事用臨時列車のうち、既にレール輸送はキヤE195系への置き換えが進められています。

従来機関車は客車牽引や車両輸送、今回の工事用臨時列車の牽引など様々な役割がありました。機関車や貨車の老朽化や省電力化を図るために真っ先にJR東海がキヤ97系を導入し、耐寒耐雪対応などJR東日本向けにカスタマイズしたのがキヤE195系です。長さ25mの定尺レール用と200mのロングレール用があります。JR東海ではバラスト輸送はトラックで行うことで貨物列車以外の機関車を削減しました。

JR東日本でもレール輸送用貨車(チキ)とバラスト輸送用貨車(ホキ)のうち、チキが余命宣告されているということで、鉄道ファンの間では大きく話題になっています。

登場時には不具合により本来駆逐するはずの機関車に牽引されていったり、見た目から生首と言われていましたが、2020年4月から量産車が続々と製造されており、労働組合資料で投入予定数となっている110両のうち、ロングレール輸送用を除いた大半が既に落成済です。

チキの次はホキを駆逐

そして今回新潟トランシスで製造され出場したのがGV-E197系です。GV-E197-1とGV-E197-2の2両で編成番号はTS01です。形式区分はJR東日本としては異例の百の位が1でした。最近の車両は百の位が1が液体式気動車、2と3がハイブリッド気動車、4が電気式気動車でしたが、キヤE195系と連番にすることを優先したのだと思われます。

両運転台となっており、従来の機関車牽引のように牽引・プッシュプルを想定しています。また2両とも編成番号が同一なので、GV-E197系は2両1セットで使用されます。

前面は201系を思わせるような顔で、側面はGVシリーズではおなじみの無機質でメタリックなデザインになっています。JR東海のものをカスタマイズしたキヤE195系とは異なり、完全なる新規設計車両になっています。

連結器は双頭連結器を採用しています。これは機関車などの自動連結器と一般的な電車の密着連結器両方がが使える連結器です。特殊用途車両としては珍しくありません。

双頭連結器同士での連結は解放が煩雑で通常は行いません。そのためキヤE195系では重連で使用することを想定して上記の理由で双頭連結器は採用されませんでした。

今回TS01編成は高崎車両センターに所属します。保安装置はATS-PとPs双方に対応しておりATCなどには対応していません。

機関車全廃までのカウントダウン

今回GV-E197系が登場したことによりチキではなくホキも危うくなりました。また廃車配給で使用する牽引機に関しても専用の車両が開発されるかもしれませんね。現時点では何も判明していませんが、GV-E197系がその役割を担うとは限りません。

JR東海は2008年に機関車を一掃していますが、JR東日本も機関車の寿命は残りわずかです。今後の動向に注目が集まります。

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