創業から80年以上「日本三大”駅”そば」として有名である、JR宗谷本線・音威子府駅にある常盤軒(西野商店)。<北海道中川郡音威子府村>
新型コロナウイルスでの一年ほど臨時休業でしたが、2021年2月8日に店舗の閉店が正式に発表されました。
「駅そば」の聖地、人気立ち食い蕎麦が幕引き
「日本三大そば」といえば、長野県・戸隠そば、島根県・出雲そば、岩手県・わんこそばの3つ。しかし「日本三大”駅”そば」はご存知でしょうか。
長野県・JR中央本線/篠ノ井線・塩尻駅の極狭そば屋をはじめとして皆さんの中でもあそこがいい、ここのほうがいい!という駅そばは数多くあるでしょう。
首都圏をはじめとして、時間のない会社員や郊外の旅行客にとってかけがえのない存在である駅で食べるそば処。
その中でも多くの方々を魅了した北海道北部の駅そば、JR宗谷本線・音威子府駅にある常盤軒(西野商店)がその創業の歴史に幕を閉じました。
店主のご逝去、後継者もおらず…
2021年2月8日付で、音威子府村交通ターミナル(JR音威子府駅)内に以下のお知らせが掲示されました。\
2021年2月8日 ー音威子府村交通ターミナル施設管理者、北海道音威子府村役場ー
昨年(2020年)2月より臨時休業され、新型コロナウイルス感染症に伴う経営不振の影響が心配されていました。
しかし、今回の閉店は新型コロナウイルスによるものではなく、闘病中であった店主の西野守様がご逝去されたことによるものでした。
みんな大好き”駅”そば
村や周辺地域のそば実を使い地域特産品で人気の真っ黒な麺の製麺。そして昆布と煮干しの濃いそばつゆと併せて提供まで行い、音威子府そばのために北海道の北側を訪れるほどのファンを生み出していた名物。
「身体が続く限りはお店をやっていきたい」と話されていたご主人ですが、残念ながら、後継者もいません。
旧天北線の始発駅であり、今なお稚内~旭川・札幌を結ぶ宗谷本線の特急駅である音威子府。
鉄道のまちとして栄えた村の方々の食事処を支える音威子府の顔として半世紀以上つくられていたその素敵な蕎麦は店主の温かい笑顔とともに語り継がれていくことでしょう。
お悔やみ申し上げますとともに、訃報に関しましてはご家族の皆様にお問い合わせ等されませんようご配慮願います。
関東から鉄道旅にて数十回ほど訪れ主人と奥様には行く度に新聞紙に包まれた蕎麦を土産に持たせてくれた記憶と思い出があります。最後は昨年の夏に御自宅へ行きご主人様と会えることができ数分立ち話をしたのが最後ですね。
誠に残念です。
お悔やみを申し上げます。