時刻表を発売している交通新聞社は小型全国時刻表を2021年8月号(7月20日発売予定)もって休刊とすることを発表しました。

ただ、「休刊」とは単発的な発行休止と、編集部を廃止してその後の発行を完全に停止する場合を同列に扱うため、今回は後者と思われます。つまり、事実上の廃刊となります。

コンパクトさで人気を博していた 「便利だったのに残念」

交通新聞社は正式に「小型全国時刻表」を廃刊とすることを発表しました。全線のコンパクト版時刻表としては現存としては唯一となり、廃刊後は全線をカバーする携帯型時刻表が消滅することになります。※廃刊は正式な名前ではありませんが、休刊を分かりやすく表現するのに用いています。)

以前はJTBの携帯時刻表がありましたが、2011年4月号で廃刊、それと同時に500円から現在の620円に変更。2020年時点では7万部を売り上げていたということです。ただ、新型コロナウイルスの影響で、臨時列車などの運休や指定席の発売停止などには紙では対応できないという紙媒体の弱点に大きく左右された結果となりました。

コンパクト・軽量ということから持ち運びには最適でしたが、今回の廃刊は非常に前年ですね。

【休刊のお知らせ】
『小型全国時刻表』は、8月号(7月20日発売予定)を以って、休刊とさせていただきます。
また、『高速バス時刻表』は発売中の2020~21年冬号を以って休刊とさせていただきます。
どちらも、長きにわたりご愛読いただきまして、ありがとうございました。

公式Twitterより

高速バス時刻表も廃刊へ

小型全国時刻表に続き「高速バス時刻表」も廃刊となります。

「全区間が一般道経由の特急・急行・快速バスの一部も掲載されていて、更に起終点間の運行距離も掲載されていたことから、長距離ローカルバスを研究する上で役立った資料でもありましたな。」と時刻表を通して趣味を追求できた方もいるようです。

全国の高速乗合バスの時刻表はもちろん、全国の主な乗車場MAPなどの案内も充実。また、ひと目でわかる各路線の「設備&サービス」や、出発地・目的地の県別索引など、初めての方にも使いやすい構成になっています。

交通新聞社より

大きさはAB版のみ、7月と12月の2回のみの発行。発行部数は3万5000部。定価は1153円(税込み)一般書店や駅売店などで置かれていた。

1990年創刊、31年目の今年冬の発売を待たずに廃刊となる。全国の運賃、時刻、路線について詳しく書かれているが、「高速ツアーバス」に転換した事業者は事業者路線一覧のみが巻頭に掲載されているスタイルが特養。

全国の高速バスの時刻表を扱っている時刻表としては日本唯一。廃刊後は「全国の高速バス時刻表」が消滅することになり、有料販売の時刻表としては道南バスなど自社のバス時刻表のみとなります。

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金ナナ野郎
金ナナ野郎
2 年 前に

時刻表の老舗トーマスックの廃刊は世界的衝撃だったが、コロナ禍で時刻表はさらに冬の時代に突入した感が強くなった。駅などで無料配布のポケット時刻表もスマホで検索できるとかコロナ禍で不特定多数の手に触れ危険だという、建前上の理由に廃止する社が続出しているが、コロナ禍による業績不振によるコスト削減が最大の理由のはず。昭和時代には隠れたベストセラーと言われたJTB時刻表も、JTBの営業不振で廃刊になる可能性も低くは無いと感じる。JRグループの資本繋がりを考えれば、JR資本の企業(JTB、交通新聞社)で2誌も時刻表を発行して競合しており、営業不振のJTB時刻表がJR時刻表に統合される可能性も0では無いと思える。コロナ禍で大きな変革が起きる時代となった。

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