西武鉄道は自社が所有する「としまえん」について2020年8月31日をもって閉園すると公式に発表しました。
豊島園庭の湯については閉園後も継続して営業をしていくということです。
閉園後は「豊島園」という駅名は残るのでしょうか?
としまえんは2020年8月31日閉園 94年の歴史に幕
「としまえん」は1926年に室町時代に築かれた練馬城の城址を中心に作られました。2020年で閉園が発表され開園以来96年の歴史に幕を下ろします。
西武鉄道はプレスリリースで以下のようにコメントしています。
「としまえん」を中心とした一帯のエリアについては、1957 年(昭和 32 年)に都市計画
公園「練馬城址公園」の指定を受け、2011 年には避難場所や防災拠点となる公園・緑地の
整備促進の観点から、東京都より 2020 年度までの 10 年間で優先的に整備する「優先整備
区域」に指定されております。
当社では、これまで東京都と公園整備に関する協議を進めてまいりましたが、本日、東京
都を含めた関係者と「都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書」を締結したこと、および
今後の土地利用等の計画に鑑み、「としまえん」(豊島園庭の湯は除く)を閉園することにつ
いて、正式に公表いたします。
1926 年(大正 15 年)の開園以来長きに亘り、地域の皆さまから支えられ、そして大変多
くのお客さまにご来場いただきましたこと、深く御礼申し上げます。
「としまえん」閉園後の駅名はどうなる?「豊島園」という駅名は残る?
「としまえん」閉園後、駅名はどうなるのでしょうか?現在、西武鉄道と都営地下鉄大江戸線には「豊島園駅」という名前の駅があります。
かつて遊園地などの施設があり、その後閉園になっても駅名が残った例としては、小田急線の「向ヶ丘遊園駅」があります。「向ヶ丘遊園」は当時走っていたモノレール線で台車に致命的な亀裂が見つかり、メーカーがロッキード社であったことから、修理費用が莫大になることが分かり、運行を休止。その後同線の運行休止をきっかけに2002年に閉園をしましたが、その後も「向ヶ丘遊園」という名前が残っています。
一方で東急多摩川線の「二子玉川駅」の近くにかつて「二子玉川園駅」がありました。こちらも「二子玉川園」という遊園地があり、閉園後しばらくは「二子玉川園」という駅名が残っていましたが、2000年に新玉川線と田園都市線の統合をする際に「二子玉川駅」と改称されました。
プレスリリースには記載がありませんでしたが、「豊島園駅」という駅名は今後残るのでしょうか?
一方で、「としまえん」の来園者のための路線と言ってもいい、西武豊島線は路線自体が存続するか、廃止になるかの選択を迫られることになります。
「としまえん」閉園後、西武豊島線は廃止? 豊島園駅から練馬は大江戸線が並行して走る
西武豊島線は練馬から豊島園駅を結ぶ、わずか1.0kmの路線で「としまえん」の輸送のために作られたいう路線と言っても過言ではありません。
しかし、Googleマップで位置関係を見ると、練馬から豊島園の間は都営大江戸線が並行して走っており、もし西武豊島線が廃止になったとしても、都営大江戸線で代替が効くことになります。
もちろん、西武豊島園駅を使っていた人にとっては運賃負担が増えることになりますが、西武鉄道としては廃止にして経費削減にしたいのではないかと思います。
練馬区の作成した資料によれば、『「遊園地「としまえん」のにぎわいが失われた場合、豊島園駅の乗降客数(西武豊島線13,318 人/日、地下鉄大江戸線 10,954 人/日(24 年度平均))が減少し、特に西武豊島線に影響を及ぼすことが懸念されます。」』と書かれています。(練馬区作成資料:練馬城址公園をにぎわいの拠点に)
都営大江戸線「豊島園駅」があるため西武豊島線の存在意義は閉園とともに薄れてしまい、利用客も少なくなることから廃止になる可能性が高いのではないかと思います。
今回のプレスリリースには駅名改称についての記述はありませんでしたが、果たして「としまえん」閉園後に「豊島園駅」という駅名は残るのか?西武豊島線が廃線になるのか?今後の情報に注目していきたいですね。
豊島線は、練馬駅の引上げ線のように使われていますから、すぐに不要とはならないでしょう。
練馬駅付近の高架化の際も、廃止の話が出ましたが、結局、高架から下りる経路が敷設されましたよね。