1月7日に人気漫画「ゆるキャン」の11巻が発売されました。ネット上では面倒くさい鉄オタ対策がされていたと話題になったのですが、一体どういうことなのでしょうか。
あのJR東海ともコラボした人気作
ゆるキャンは山梨県周辺を舞台に、キャンプ場でのリクリエーションや野外調理などといったアウトドア趣味の魅力と、それを身の丈に合った範囲で満喫する女子高校生たちのゆるやかな日常を描いた漫画です。JR東海ともコラボして鉄道ファンからも注目されました。
今回話題になったのは1月7日に発売11巻の最初で、大井川鐵道のアプト式列車に乗車する場面です。主人公の1人である志摩リンが「おー電車が来てる来てる」「ちっちゃくてかわいい電車だねぇ」と言っていますが、注釈に「厳密には電車ではなくディーゼル車で、一区間だけ電気機関車と合体して走ります。」とあります。
確かに当該列車は客車をDD20形ディーゼル機関車が推進・牽引する運行形態で、一部のアプト式区間ではさらにED90形電気機関車が補助機関車として連結されます。
なのでディーゼル機関車と無動力の客車を「動力源に電力を用いる鉄道車両のうち、それ自身に旅客や貨物を載せる設備を持つ車両の総称」と定義されている電車と呼ぶのは不適切ということです。
あくまで日常系の漫画なのでそんなこと誰も気にしないかと思いきや、一部の面倒くさい鉄オタが影響しています。
電車じゃなくて気動車です!
例えば動力源がディーゼルエンジンであるキハ40形などを電車と言うと「電車じゃなくて気動車だ!」と本気でキレる鉄道ファンも実は居るのです。同業者・一般人問わず言ってくるため、要らぬトラブルを避けるためわざわざ注釈をつけたのでしょう。
もちろん間違っていることに変わりはないので注意喚起という理由もあるのですが、鉄道ファンの間では「面倒くさい鉄オタ対策」だと話題になりました。
ちょっとマニアックな解説も
作中には電気機関車と連結をする場面も描かれています。合体という表現を使っていますがこれも「面倒くさい鉄オタ」からは連結だと怒られそうです。
この作品はあくまで日常系で鉄道ファンの知識を一般人に見せつける場所ではないのですが、鉄道会社とのコラボや実際の路線が描かれていることから、幅広い層への配慮が必要なようです。
逆に登場キャラが「クハ600形だ!」とか言っても面白くないので、ちょっと間違えているぐらいがちょうど良いと思います。間違った情報を広めないための注釈ですが、鉄オタ対策と話題になってしまいました。