JR西日本は現在新大阪発着で運転されている特急くろしおが奈良発着で運転される計画を発表しました。
運転が開始されれば、おおさか東線・JR大和路線で定期の特急列車が運転されることになります。この列車が運転されれば、今まで臨時列車として運転されてきた特急まほろばについては「定期列車化」が行われることになります。
今回はこの計画に基づいて2023年ダイヤ改正の予測をしてみました。
JR西日本は関空・和歌山~奈良方面の特急列車を運転する計画を発表
今回JR西日本から発表された「ファクトシート2021」によると東海道支線(梅田貨物線)の地下化が行われ、うめきた(大阪)地下駅が2023年春に開業するタイミングに合わせて、奈良方面への特急列車が運転される計画が発表されました。
この図表によると京都方面と奈良方面から関空までのアクセスが書かれているほか、和歌山・新宮方面も今回の対象路線になっていることが分かります。(赤線で書かれているところが対象列車と考えると、はるか・くろしおが該当することになります。)
ここから読み取れることは関空特急はるか・くろしおが奈良方面に運転されること、計画が可能性としてあることが分かります。
うめきた地下駅開業でくろしお・はるかも大阪駅停車へ
現在、くろしお(新大阪~和歌山・新宮で運転)・はるか(京都~関西空港で運転)は新大阪駅から梅田貨物線を経由して運転されるため、大阪駅には停車しません。
これが2023年春に開業する予定のうめきた地下駅開業で、くろしお・はるかが大阪駅に停車するようになります。
特急「まほろば」が定期列車化が現実へ まほろば+くろしおが1本の列車へ
奈良方面への臨時特急「まほろば」は2019年・2020年に運転が行われていました。この列車は最初からこの計画のために走らせていたのかもしれません。また、この列車は新大阪~奈良間がノンストップ運転で、途中駅には停車しない列車となっていました。
特急くろしおと共通点があり、特急まほろばに使用されている287系電車は、特急くろしおでも使用されています。
実はこの列車が運転されていた本来の目的は新大阪~奈良間の特急需要を確かめるための運転でだった可能性もあります。
新宮~新大阪~奈良の新特急の停車駅はどうなる?
現在運転されている新宮~新大阪までの特急くろしおと新大阪~奈良までの特急まぼろばが1列車に統一される形で運転されるとなった場合の停車駅はどうなるのでしょうか?現在の特急くろしおで運転されている区間では大阪駅に新規停車となります。
特急まぼろばで運転されている区間についてはどうでしょうか?ここについては放出や久宝寺駅については停車する可能性があります。(資料にも掲載されていたため)
また、
特急料金はどうなる?新大阪~新宮、新大阪~奈良で異なる特急料金
新大阪~奈良間で特急列車が運転された場合の特急料金はどうなるのでしょうか?現在走っている特急くろしおではB特急料金が適用されていますが、特急まほろばの時にはA特急料金での運転がされていました。
※特急料金について・・・B特急料金は標準的な特急料金、A特急料金は高めの特急料金となっており、成田エクスプレス、サフィール踊り子にはA特急料金が適用されます。
つまり、奈良方面に延伸された際にはA特急料金にするのか、B特急料金に統一されるのかという点については注目していきたいところです。特急くろしおももしかするとA特急料金に値上げになるかもしれませんね。(e特急券などでは料金が据え置きか、値上げ軽減の措置が取られるかも?)
天王寺~奈良で特急が運転されない・できない理由は?
天王寺駅から新大阪を経由せずに天王寺で方向転換をして奈良に向かった方が早いと思うかもしれません。しかし、天王寺駅の線路配線の問題で、阪和線から大和路線には行くことが出来ないため、新大阪を経由する必要があります。行けるようにするためには線路の配線を変える必要がありそうです。
また、特急まほろばは新大阪~奈良間の新幹線に乗り継ぐ乗客の需要を拾う必要があるため、天王寺で折り返してしまうのはナンセンスといえるでしょう。
関空特急はるか 奈良方面まで運転 大阪駅停車で大阪~関空が20分短縮へ
もう一度改めて、今回発表されたファクトシート2021についてみてみましょう。赤線と書かれている部分が今後運転が計画されています。また、大阪駅停車で現在関空快速での所要時間が64分に対し、地下駅開業によって大阪駅停車になるため、44分に短縮されます。
また、今回のファクトシート2021では赤線の部分が関西空港~奈良間でも運転されることが明記されています。関空特急はるかが関西空港~奈良へ運転されれば、天王寺駅での乗り換えが無くなる他、大和路線・おおさか東線の乗客にとっても座れて乗り換えが必要ないのは大きなメリットとなるでしょう。
奈良延伸運転でリムジンバスと対抗できるのか?
現在運転されている奈良~関空までのリムジンバスが1時間30分程度となっており、これに対して関空特急はるかが奈良~関空まで運転されたとしても、時間が新大阪~関空までが44分、大阪~奈良まで約55分と仮定した場合、1時間39分程度となることから、リムジンバスと所要時間同じですが、バスは料金が2500円程度のため価格では勝てないという点もあります。
ただ、バスは予約制で運転されるため、急に予定が決まった人などには需要がありそうです。また、定期列車化することで、大阪~奈良間の所要時間を短くできる可能性もあるかもしれません。
まとめ
これまでの2023年春のダイヤ改正について予測をしてきましたが改めて内容をまとめました。
- 関空特急はるか・南紀特急くろしおが奈良まで延伸する可能性
- 運転開始は大阪駅地下駅開業の2023年春以降
- 地下駅開業ではるか・くろしおが大阪駅停車へ
- 大阪~関空の所要時間が20分短縮へ
- 新大阪~奈良間の特急が定期列車化・新設へ
- 奈良~関空のリムジンバスに対抗できるか?値段面では不利、所要時間では互角、予約不要の面では有利
是非意見などがあれば、コメントや記事の共有をしていただけると嬉しいです。ありがとうございました。
輸送障害があったら広大な範囲に影響が出ますね。
287系を新大阪基準で、共通で使い、系統は分けた方が良いと思います。
くろしおは単独で運転して、「はるか・まほろば」
で6両3両の併結運転というのは良いかもしれません。
関空と新大阪、京都、奈良を結ぶことができます。
コロナ禍で世界的にインバウンド需要が回復しない限り287系は過剰に余りすぎと思っていたが、この運行で潜在需要を開拓出来れば無駄にならなそうだな