JR東日本は2013年から約8年間にわたって使用されてきた「えきねっとの旧デザイン」での運用を終了しました。2021年6月26日20時でサービスが終了。2021年6月27日(日)5時から新しいえきねっとサイトにリニューアルとなります。
えきねっと黎明期から歴史を振り返る 登場当初はショッピングサイトなど内容がカオスだった
えきねっとが登場したのは2000年4月8日㈯の14時頃。当時はインターネット電子モールえきねっととして誕生しました。
当時はJR東日本ホテルグループの予約サービスなどを提供しており、えきねっと開業記念として、当時廃車を進めていた103系の廃車発生品を発売するなど、大盤振る舞いのキャンペーンを実施していました。
当時のえきねっとはえきねっとで買った商品を宅配便または首都圏の140の駅、206カ所の駅構内店舗などで受け取ることが出来ました。駅構内店舗は山手線各駅の他、宇都宮・高崎・高萩などの遠方を含むレストラン・miniコンビ・NRE(サンディーヌエクスプレスなど)などで受け取り可能となっていました。
一応きっぷとなっているものの、受け取りは駅のみどりの窓口・びゅうプラザとなっており、列車も2時間前まで受付可能など今とは違う点も多く次の違いがありました。(2001年頃には東京駅(丸の内南口きっぷ売り場・新幹線南乗り換え口改札窓口そば)・上野駅(中央広場みどりの窓口内・新幹線乗り換え口みどりの窓口内)大宮駅・渋谷駅・宇都宮駅・成田空港駅・仙台駅・新潟駅)
・当時は寝台券(B寝台・A寝台ともに)の予約もできる(2006年までネットでそれ以降は電話で)など逆に今はないサービスも実施されていた。ただし、「あさぎり」・「トワイライトエクスプレス」等一部の列車はご予約ができなかった。ダイヤ改正日には予約できないなど、弱い部分もあった。
・予約の変更取り消しは「とれTELセンター」に電話。しかも、前日からの払い戻し料金は30%(最低320円)となっていた。
・18時を過ぎると当日の列車は予約できず、翌日10時からだった。
現在のJREモール・ホテルの予約・不動産や駅情報が記載されており、1つのサイトでごちゃ混ぜになっていたため、今のえきねっとのイメージには程遠かったようです。
4月8日(土)の14時以降、インターネット電子モール「えきねっと」のサービスを開始します。(URL http://www.eki-net.com)
(1) 「えきねっと」では、お客様に安心してお買い上げいただける商品や、JR東日本グループ・ホテルの予約サービス等を提供します。併せて、各種情報サービスを順次拡充することで、一層魅力あるサイトにしてまいります。
(2) 「えきねっと」開業記念として、通勤通学電車として長年にわたり親しまれた103系車両の廃用品(行先字幕と制御器セット、車両製造銘板など)のネットオークションを行います。
(3) 「えきねっと」でお買い上げ頂いた商品は、宅配便によるお受け取りのほか、お客様のご希望と商品の種類によって、首都圏140駅の206箇所の駅構内店舗(JC、miniコンビ、レストラン等)でのお受け取りが可能です。
(4) 代金決済には、4月から使える新しいビューカードをはじめ、VISA、MASTER等、幅広いクレジットカードが、安全性の高い環境でご利用になれます。■ コンテンツ
(1) JR東日本、東日本キヨスク、JR東日本商事、日本レストランエンタプライズ、JR東日本ホテルズ等、JR東日本グループが従来より取扱い、お客様からご好評を頂いている商品、サービス、各種情報(駅構内情報、駅ビル情報、沿線不動産情報)の提供をいたします。
(2) 「えきねっと」の魅力、利便性の向上の為に、グループ外の有力なサイトや、コンテンツホルダーと幅広く協業し、他サイトとの結合、有力テナントショップの商品導入、「えきねっと」対応商品の共同開発など、安心で便利な商品、サービス、情報提供を総合的に行います。■ 駅構内店舗での商品引渡しサービス
(1) 対象商品 「えきねっと」の取扱い商品のうち、一定の梱包サイズで常温保存に適した商品(書籍、CD、小型軽量雑貨類など)となります。
インターネット電子モール「えきねっと」サービスの開始について 平成12年4月4日JR東日本広報部発表(https://www.jreast.co.jp/press/2000_1/20000402/index.html)
(2) 対象店舗
【店舗種類】 【駅数】 【店舗数】
JC 98駅 103店舗
miniコンビ 50駅 76店舗
サンディーヌエクスプレス等 20駅 27店舗
合計 ※137駅 206店舗
2001年のえきねっとはJALの予約もできた サイト名も「えきねっとTravel」に変更
えきねっと登場からわずか1年で「緑の会社」なのに青いホームページになっており、約半分はショッピングサイトになっているのが分かります。まるで、コーポレートカラーを忘れてしまったよう。光の三原色から間をとって青にしたのか、カラーの理由は分かりません。
当時はJALとJTBと提携しており、海外旅行ツアーも予約できるサイトとなっていました。JALのロゴが旧ロゴなのも懐かしい。
サイトからも分かる通り、もはや列車予約サイトではなく完全に旅行会社。「えきねっとTravel」という名前のサイトに変わっており、「最も今の形から遠かったデザインではないか」と個人的には思いました。
2002年頃にえきねっとでガラケーから予約できるサービスが始まる
えきねっとは2002年2月1日㈬に携帯電話(ガラケー)から新幹線指定席の予約サービスを開始、サイトをリニューアル。
2002年12月から指定席予約でえきねっと割引、えきねっとポイントがスタートし、窓口からネットへ誘導するということを目的に作られていたと思われます。
また、この頃から午前5時半~翌1時40分までの申し込みが可能となっており、現行の申し込み時間と大差ないことから、当時としては革新的なサービスだったことがうかがえます。
この辺りから、現在のえきねっとに近いものになっていることが分かります。また、えきねっと上にあったショッピングモールは(https://www.eki-net.biz/)に分離、2013年にえきねっとショッピングは廃止。後にJREモールへと形を変えることとなります。
2013年にリニューアル ほぼ旧デザインと同じのものに
こちらが2013年リニューアルのえきねっとサイトです。若干配置が異なるものの、ほぼ機能やデザインは同じとなっており、ここから8年間一部変更しつつも2021年6月26日までは運用されていました。
長くなりましたが、えきねっとの歴史について調べてみました。
今後のサイトリニューアル後のえきねっとに求められるものとは?
今後えきねっとに求められるものは何でしょうか?思いつく限りリストにしてみました。
- サンライズ出雲・瀬戸のA寝台・B寝台の個室券を予約できるようにする(JR西日本は対応済み)
- JR東海の列車の指定券の座席位置の変更(大人の事情なのは分かるが・・・)
- 駅名入力時のインターフェイス改善(例;大宮と検索すると阿波大宮がデフォルトになる。要するに利用頻度準ではなく、単にあいうえお順)
- お得なきっぷを窓口購入ではなく、えきねっとでも買えるように。(→これは実装されることが発表済み)
- 古いデザインを一新。今風なデザインに。
一方で改悪される部分も 利用者からは不満
一方で残念なお知らせもあります。えきねっとの改悪です。改悪点を次にまとめます。
- 大人の休日俱楽部パスの指定券がえきねっとから予約不可能に
- 新幹線eチケット都区内特定区間適用外(既になっているが、不満が続出。確かに足元見られている感がする。)
- えきねっとのきっぷの支払いが予約と同時に決済
- みどりの窓口受け取り時はえきねっと利用分のポイントが付与されない
- 乗車券のみまたは自由席特急券を購入する場合はえきねっと利用分のポイントが付与されない。
- 「ビューカード・グリーン車利用券」が2021年6月30日分の交換で廃止に
- 事前受付が1か月1週間前の14時からに変更(以前は5時30分から)
- JREポイント交換の一部商品が必要ポイントが増加(実質値上げ)
新型コロナウイルスの影響で減収とは言え、リニューアルといいつつ裏で改悪されているのが、不評のようでせこいなどの意見も出ています。
今後サイト更新内容でどこまで変わるかという点には注目したいですね。