しなの鉄道では厳しい経営状況により、大胆な経費削減や値上げを実施する予定です。

赤字が回復しない見通し

しなの鉄道によると、同社では新型コロナ感染症の拡大により、運輸収入が激減し、2020年度は4億円を超える最終赤字となりました。また、多くの鉄道各社が回復傾向にある本年度に入っても、同社では運輸収入の回復が大幅に遅れており、昨年と同程度の厳しい状況が続いています。

コロナ収束後も、鉄道利用は完全な回復が見込めず、沿線人口の減少と相まって、2億円を超える規模の最終赤字が連続して生ずる見込みです。

そのため、経営存続自体がが危ぶまれており、更新車両数を最大52両から最大46両に削減、優先順位の見極めによる投資額の削減、効率化により16名以上を目標(退職不補充)などに取り組んでいます。これらの取り組みで、2022年からの10年間で9.3億円の経費削減効果を見込んでいますが、今後さらに経営対策に取り組む予定です。

ダイヤ編成の見直し

2022年春

土休日ダイヤの見直し(土休日運休の拡大、区間により4本または6本を新たに運休)

2023年春

ダイヤの全面見直し(日中から深夜帯のダイヤ減便、最終列車の繰上げ)

駅業務体制の見直し

2022年4月

無人駅の拡大(現状3駅→7駅) 滋野駅・信濃国分寺駅・テクノさかき駅・千曲駅の4駅を新たに無人化(千曲駅は2023年3月)

土休日無人駅の導入(6駅) 大屋駅・西上田駅・坂城駅・屋代高校前駅・牟礼駅・黒姫駅

駅営業時間の短縮(一部駅)

2023年4月

戸倉駅の駅業務委託化

運賃制度の見直し

2022年4月

企画乗車券の改廃

2023年4月

乗継割引制度の廃止

組織のスリム化と人件費の抑制

順次実施

要員の効率化(駅営業時間短縮、列車本数削減、保守作業効率化による)と人件費の抑制

外注作業の直営化による経費削減

設備維持費の低コスト化

2021年12月

不要設備使用停止による維持費削減

2023年春

最高速度引下げによる設備寿命延伸

線路等級引下げによる設備基準見直し

以上の取り組みで、2022年度からの10年間で7.2億円の経費削減効果と8億円の増収効果を見込んでいます。運輸収入全体がコロナ前の水準の9割まで回復すると見込む2025年度から当面の間は、黒字を確保できる見通しです。

乗り継ぎ割引は、近距離を利用する場合に初乗り運賃による運賃の急激な上昇を抑えるために実施されています。JRと接続する篠ノ井、小諸、長野、豊野の4駅や、えちごトキめき鉄道と接続する妙高高原駅のいずれかを経由して一定の区間を行き来する場合に適用されます。

廃止された場合、普通運賃(片道の場合) 40円または80円、通勤定期運賃(1か月定期の場合) しなの鉄道線1,200円または2,400円 北しなの線 1,440円または2,880円、通学定期運賃(1か月定期の場合) しなの鉄道線790円または1,580円 北しなの線 1,030円または2,060円の実質値上げになります。

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